日本大百科全書(ニッポニカ) 「金砂湖」の意味・わかりやすい解説
金砂湖
きんしゃこ
愛媛県東部、四国中央市にある人造湖。吉野川の支流銅山(どうざん)川をせき止めてつくられた柳瀬ダム(やなせだむ)の人造湖で金砂湖県立自然公園に指定されている。ダムの完成は1953年(昭和28)で、貯水量3000万トン。発電のほか分水によって宇摩平野1300ヘクタールの灌漑(かんがい)用水を送水する。付近の地質は三波川(さんばがわ)系結晶片岩で、動力変成作用を受けているため剥離(はくり)しやすく、片状、線状構造をなす。これが渓谷の侵食を受け、緑(緑泥片岩)、赤(紅簾(こうれん)石英片岩)、黒(黒色片岩)などの色彩に富む景観をつくる。また、シイ、ヤマフジ、イブキビャクシンなどの老巨木がある。
[深石一夫]