化学辞典 第2版 「銀触媒」の解説
銀触媒
ギンショクバイ
silver catalyst
銀の触媒作用を利用した触媒.通常は担体に銀の微粒子を担持して用いる.銀の触媒作用として有名なのは,エテンの空気酸化によるエチレンオキシドの一段合成であり,この反応に有効な金属は銀のみである.過度の酸化を防止するため,細孔径の大きな担体に担持し,220~280 ℃ で使用する.Ag-Ca合金を使用する例もある.HClやC2H4Cl2のような塩素化合物を共存させると活性は低下するが,エチレンオキシドへの選択性が向上する.このほか,メタノールからホルムアルデヒドへの酸化に銀網が触媒として用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報