化学辞典 第2版 「銅アセチリド」の解説
銅アセチリド
ドウアセチリド
copper acetylide
アセチレン化銅,炭化銅ともいう.アセチレンの銅塩で銅(Ⅰ)塩Cu2C2と銅(Ⅱ)塩CuC2とがあり,生成の仕方が違うが,どちらも爆発性であるなど性質は似ている.【Ⅰ】銅(Ⅰ)アセチリド:Cu2C2(151.11).CuClのアンモニア水溶液にアセチレンを通じるとCu2C2・H2Oが沈殿する.これを塩化カルシウム上で脱水すると無水物が得られる.赤色の非晶性固体.120 ℃ に加熱するとはげしく爆発する.摩擦によっても爆発する.冷水に微溶.酸,KCN水溶液に溶かすと分解してアセチレンを発生する.[CAS 1117-94-8]【Ⅱ】銅(Ⅱ)アセチリド:CuC2(87.57).CuCl2とカーバイドCaC2との水溶液中での反応により,沈殿として得られる.暗赤色または黒褐色の粉末.50~70 ℃ に加熱するかまたは打撃により爆発する.塩酸溶液を加熱するとアセチレンを発生する.[CAS 12640-13-5]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報