鍋取(読み)なべとり

精選版 日本国語大辞典 「鍋取」の意味・読み・例文・類語

なべ‐とり【鍋取】

  1. 〘 名詞 〙
  2. (つる)のない鍋・釜を火からおろす時、両手に持ってその縁をつまむためのもの。藁を編んで、扇形や足半(あしなか)の形につくった。また、鍋・釜の下にも敷いた。
    1. 鍋取<b>①</b>〈用捨箱〉
      鍋取〈用捨箱〉
    2. [初出の実例]「茶せんと茶わんは、はこ入あとなり、なべとりもさき、あみがさをぬひでかくるはあと也」(出典:虎明本狂言・煎物(室町末‐近世初))
  3. ( 形がに似ているところから ) 冠の老懸(おいかけ)の異称。
    1. [初出の実例]「公家と武家とは二かしら也 なべ取をかぶとのわきにかざり付」(出典:俳諧・新増犬筑波集(1643)油糟)
  4. なべとりくげ(鍋取公家)」の略。
    1. [初出の実例]「あくた川鍋取りめがとおっかける」(出典:雑俳・柳多留‐五(1770))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android