鍔・鐔(読み)つば

精選版 日本国語大辞典 「鍔・鐔」の意味・読み・例文・類語

つば【鍔・鐔】

〘名〙
① 刀剣装備の付属金具。柄を握る拳(こぶし)の防御具。金属や革・角の類で作り、形や大きさは種々で、角(かく)鍔、丸鍔車鍔、粢(しとぎ)鍔、葵鍔などの名がある。つみは。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
② 釜(かま)の胴のまわりに、ひさしのようにうすく張り出した部分。
③ 帽子の下部の周囲に張り出した部分。
恋慕ながし(1898)〈小栗風葉〉一三「鏢(ツバ)萎靡(ぐたぐた)になった釜形の古帽子を冠って」
④ 限度。かぎり。
※雑俳・万歳烏帽子付合大全(1703)「銀に鍔なし島原」
担子菌類の子実体の柄の上部に見られる①のような付属物。かさ裏面ひだをおおって保護していた内被膜が、かさが開く時に一部がちぎれて残ったもの。これの有無、着生する位置、永存性か否か、形、質、色、大きさなどは分類上の特徴となる。テングタケ類は特に大きくて有名。

つみ‐は【鍔・鐔】

〘名〙 (「つみば」とも) 鍔(つば)古称
書紀(720)神代上(兼方本訓)「復剣(つるき)の鐔(ツミハ)より垂(したた)る血、激越(そそ)いで神と為る」

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