日本大百科全書(ニッポニカ) 「鍼灸甲乙経」の意味・わかりやすい解説 鍼灸甲乙経しんきゅうこうおつきょう 現存する中国最古の鍼灸医学書。12巻、128編。晋(しん)の皇甫謐(こうほひつ)により編纂(へんさん)されたもので、成立年代は諸説あり明白ではない。その自序中に「素問(そもん)、鍼経(霊枢(れいすう))、明堂経(めいどうきょう)の三部を撰集(せんしゅう)して、事類をして相従わしむ。其(そ)の浮辞を削り、其の重複を除き、其の類要を論じ、至りて一二巻となす」とあり、自らの病の経験に基づき、3部の書より臨床上治効を適宜ならしむるよう取捨選択し、さらに難解な点に注釈を加えて、12巻の書となしている。[岡部素明] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例