国指定史跡ガイド 「長者ヶ平官衙遺跡」の解説
ちょうじゃがだいらかんがいせき【長者ヶ平官衙遺跡】
栃木県那須烏山市鴻野山にある官衙跡。指定名称は「長者ヶ平官衙遺跡 附東山道跡(つけたりとうさんどうあと)」。県の東部を南東に向かって流れる那珂(なか)川水系の荒川に近い喜連川(きつれがわ)丘陵の上に位置する。掘立柱建物の正殿と東西脇殿を「コ」の字形に配置し、正殿の南に前殿、八脚門が並ぶ政庁域、その西側には総柱の掘立柱建物や礎石建物の倉庫群が並列して配される正倉域がある。遺跡は東山道跡に近接する交通の要衝に立地することから、下野国芳賀郡に所在した新田駅家、芳賀郡衙、ないしはそれに関連する施設の可能性が高く、古代国家の交通体系や地方支配体制を具体的に示すものとしてきわめて重要なことから、2009年(平成21)に、東山道跡とあわせて国の史跡に指定された。JR烏山線大金駅から車で約6分。