間子・合子(読み)あいのこ

精選版 日本国語大辞典 「間子・合子」の意味・読み・例文・類語

あい‐の‐こ あひ‥【間子・合子】

〘名〙
① 異人種間に生まれた混血児をいう俗称。
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉三「合(アヒ)の児(コ)でも懐妊(でき)てオギャアとさへいへば」
② 異種類の間に生まれた生物。雑種
※生物学語彙(1884)〈岩川友太郎〉「Mule 間生(アイノコ)ノ、騾(ラバ)
③ 異なった種類の両方の性質をもち、どちらともつかない中間のもの。
ヰタ・セクスアリス(1909)〈森鴎外〉「壮士と書生との間(アヒ)の子といふ風で」
歌舞伎俳優で、子役としては年がいきすぎ、成人俳優としてはまだ役に立たない中途半端な者。
※歌舞伎・初霞空住吉(かっぽれ)(1886)「何だ相の子め、小僧っ子のくせに耄碌したか」
⑤ 人と荷物を載せる車。
※歌舞伎・東京日新聞(1873)序幕「廻りの悪い身代ゆゑ夜る昼かけて二人前、車も重い相の子に油をしぼりあくせくと貰ひ溜めたる酒手をば」

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