化学辞典 第2版 「防蟻剤」の解説
防蟻剤
ボウギザイ
termiticide
シロアリによる建築材などの木材の食害は,わが国では北海道北部を除く全域でみられる.それらの原因となっているシロアリには,全国的に分布するヤマトシロアリ,九州,四国,沖縄を中心に分布するイエシロアリ,沖縄にのみ分布するダイコクシロアリがある.シロアリ防除を目的として,有機リン系,カルバマート系,ピレスロイド系などの防蟻成分を含む薬剤が防蟻剤として開発されている.防除には住宅の新築時に行う予防処理と,食害を受けた際に行うものとがあり,通常,表面塗布,吹き付けあるいはせん孔して注入するなどの方法がある.また,土壌の処理も重要である.なお,従来使用されてきたクロム・銅・ヒ素化合物系薬剤(CCA)は,現在,わが国ではほとんど使用されていない.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報