阿波国大絵図(読み)あわのくにおおえず

日本歴史地名大系 「阿波国大絵図」の解説

阿波国大絵図
あわのくにおおえず

寸法 二八三×二六三センチ(彩色)

成立 不明

原本 徳島大学附属図書館

解説 寛文四年閏五月の郡再編以前の一三郡が示される古図。当絵図では寛永一六年頃に福島地先に常三島から移転した安宅舟倉が描かれている。また同じ仕立様式の淡路国絵図には寛永一二年に終了する由良引け後の須本(洲本)城下の範囲が太黒枠で図示されていることから、同絵図・当絵図とも寛永一五年の幕府による国絵図の再徴収に応じて作製された淡路・阿波国絵図と推察される。当絵図の特徴は街道筋への一里山(一里塚)の表記、「舟渡り」や葛橋、河口・湾口などの交通注記の初出や、村形が短冊型で示されている点などである。端書には一三郡の高目録のほか「道之法目録」も記されている。高目録によれば石高都合一八万六千七五三石五斗、田方合七千四四七町七反一畝二一歩・畠方合一万一千二五七町一一歩・切畑合二千六七九町八反五畝一七歩、村数合五二二ヵ村となっている。なお「阿淡年表秘録」寛永一八年の項には七月「公儀御用ニ付御国御山下絵図御城内坪数等御指出」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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