阿波平均簿・阿陽平均簿(読み)あわへいきんぼ・あようへいきんぼ

日本歴史地名大系 「阿波平均簿・阿陽平均簿」の解説

阿波平均簿・阿陽平均簿
あわへいきんぼ・あようへいきんぼ

二冊

成立 不詳

写本 徳島県立図書館所蔵呉郷文庫

解説 呉郷文庫写本には「平均簿」と名が付く写本が二冊あるが、どちらも伝来を示す記述がない。「阿波平均簿」には目録があり、阿波国御討入之記・東西南北里数之事・古城寺社番所高札場廻船名所等数量之事・十郡村数高町数之事・隣国城下并処々之道程之事・家中分限之事・祖谷一宇由緒之事・鳴門案内之事・国中川口湊々之事・祖谷葛橋間数之事・土州街道之事并予州讃州淡州・廻船掛り物之事・古城主姓名之事・徳島橋々間数之事・郡名御改之事・塩硝蔵由緒之事・安宅由緒之事・諸役前録之事・物頭以上知行付之事とあり、蜂須賀家の阿波国入部に始まり、国内の様々な数量や街道・湊・橋などの状況、家中の分限などが記されている。物頭以上知行付の人名などから安永―寛政期につくられたものと思われる。なお「阿波国徴古雑抄」に収められている「阿波国平均日記」は「阿波平均簿」の抄写本を写したものと思われる。一方、「阿陽平均簿」は冒頭に郡名改めについて記したあとは郡ごとに村名をすべて挙げ、村によっては詳細な解説を付けてある。二冊の記述内容はまったく違うので元は一冊の本であった可能性もあるが、「阿波平均簿」が挙げている村数(六三一ヵ村)と「阿陽平均簿」が挙げている村数(五四七ヵ村)は大きく異なるので、この二冊には関連がないのかもしれない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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