目録(読み)もくろく

精選版 日本国語大辞典「目録」の解説

もく‐ろく【目録】

〘名〙
書物や文書などの題目・項目などを集めて記したもの。
古今(905‐914)雑体・一〇〇二・詞書「ふる歌奉りし時のもくろくのその長歌」 〔漢書‐叙伝下〕
所蔵、展示、収録などのしてある品目や、所属している人名や、ものごとの段取りなどを書き並べたもの。「財産目録」「在庫目録」
※中右記‐康和五年(1103)六月一八日「一条殿御領御庄目録、献右大臣殿
進物品名金銀の額を記したもの。
※宇津保(970‐999頃)蔵開下「おとど家の券奉りたるもくろくそへて奉り給ふ」
④ 進物の時、実物の代わりに、仮にその品目の名だけを記して贈るもの。
⑤ 一つの目的のもとに、多少とも体系的・網羅的に、多数の条項を集成した法規。式条。式目。法典。
※北条泰時消息‐貞永元年(1232)九月一一日「御成敗べき条々の事注され候条を、目録となつくべきにて候を」
⑥ 進物として、贈る金の包み。
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)序幕「新八障子の内より目録三つ持て出、〈略〉是はお前方へ御祝義が出ました」
⑦ 師から弟子に芸道武術伝授する時、その名目と伝授し終わった由を記して与える文書。

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日本大百科全書(ニッポニカ)「目録」の解説

目録
もくろく

一般に、物の名目・分量などを記した文書。またとくに物の贈呈や奥義の授与などの証文をいうことがある。奈良時代、寺院で作成した資財帳(校割帳(こうかつちょう))は目録の古いものである。書物の題名・分量を記した書籍目録、田畑の品等・員数・年貢量などを記した目録、所領に関する文書の目録など多種のものがある。室町時代には物品・貨幣の贈呈に、品目や数量を記して相手に送る文書を目録といった。この目録は、紙を横半分に折った折紙(おりがみ)を用いるのが一般的であったため、折紙ともよばれた。現在も使われる結納(ゆいのう)目録はこの文書の名残(なごり)である。このほか武術、芸道において師匠が弟子に与える免許の名目とその旨を記した証明書も、目録とよばれた。

[百瀬今朝雄]

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図書館情報学用語辞典 第5版「目録」の解説

目録

“利用者が図書館で利用可能な資料発見識別・選択・入手できるよう,資料に対する書誌データ,所在データおよび各種の典拠データを作成し,適切な検索手段を備えて,データベース等として編成するもの”(『日本目録規則2018年版』用語解説).通常,所蔵機関が図書館以外の場合にも目録と呼ぶ.日本の習慣では,目録が書誌の意味で用いられることが多い.本来の目録は,特定の資料の所在を確認したいときに利用される.形態により,冊子目録,カード目録オンライン目録などの種類に分かれる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「目録」の解説

目録
もくろく

書籍,雑誌などの目次,在庫品の一覧表,商品のカタログなど,その品目と内容について記録したもの。特に日本では古くから贈呈品を後日届ける約束のうえで,その品名を記録した覚え書を実物の代りに渡すことにより,その品を贈る意志表示をする。また,武道や芸道で門弟に対して,伝授や研修が終了しその名目 (段位,免許) を記録して授ける書も目録といっている。結納の際の,熨斗 (のし) を添えた目録の交換は,現在もなお一般的に行われている。

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デジタル大辞泉「目録」の解説

もく‐ろく【目録】

書物の内容の見出しをまとめて記録したもの。目次。
所蔵・展示などされている品目を整理して書き並べたもの。「展覧会の目録」「財産目録
進物をする際、実物の代わりに仮にその品目を記して贈るもの。「結納の目録
芸道・武芸を門人に伝授したとき、その名目を書いて与える文書。
進物として贈る金の包み。
「新八障子の内より―三つ持ちて出」〈伎・色読販
[類語]書誌書目品目品書き献立番組カタログリストプログラムメニュー

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世界大百科事典 第2版「目録」の解説

もくろく【目録】

品名,内容を書き並べて見やすくしたもの。1冊の本の目次も,出版・蔵書出品の目録も,商品のカタログも目録である。また進物の品名を記したもの,転じて実物の代りに仮にその品名だけを記して贈るもの,進物として包んで贈る金円も目録という。礼法では進物の目録を意味することが多い。進物目録は紙を半折した折紙を用い,結納目録の料紙は婿官禄により大高檀紙など,平士は引合紙を用いた。書式書札礼(しよさつれい)により決りがあり,〈目録〉のは書かないのが法であるが,明治以後の結納目録には書いてあるものが多い。

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普及版 字通「目録」の解説

【目録】もくろく

書籍の著録。〔漢書、叙伝下〕秦人是れ滅ぼし、、其の缺を修む。劉向(りうきやう)、を司り、九以て別つ。爰(ここ)に目はし、洪烈を略序す。

字通「目」の項目を見る

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世界大百科事典内の目録の言及

【覚】より

…請渡しの品・用件などが簡単であれば覚を必要としないが,数多くあれば個条書き(一つ書)にして,遺漏のないように配慮され,本人が記して託することになる。こうなると,目録のように列挙され,〈已上〉で結ばれ,月日,差出し,充所が具備され,書状形式となる。書状との差異は,冒頭の〈覚〉が記されることである。…

【寛文印知】より

…家康・秀忠・家光3代にわたり区々に発給されていたものが統一的・同時に発給され,大名領知権が将軍の全国的支配権に完全に包含されたことで,将軍権力の強化・確立をもたらしたといえる。大名は甲府・館林・尾張・紀伊・水戸の徳川5家,伊予宇和島と分知吉田の両者朱印状下付を願った伊達家を除いて全部に判物・朱印状・目録が下付された。公家にはすべて,寺社に対しては徳川家2~3代の朱印状所持は全部,1代のみは50石以上に,寺領がなく境内ばかりの朱印状であっても一宗の本寺には朱印状が頒布された。…

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