阿賢移那斯(読み)あけん・えなし

朝日日本歴史人物事典 「阿賢移那斯」の解説

阿賢移那斯

生年生没年不詳
延那斯とも書く。6世紀中ごろの倭系の安羅(伽耶の一国,韓国慶尚南道咸安)の人。加不至費直(河内直),韓人との二世である佐魯麻都らと共に佐魯那奇他(那奇他甲背)を共通祖先とする。佐魯麻都とは常に連帯して行動しており,ふたりは兄弟だった可能性がある。新羅に内通して百済王(聖明王)の招集に応じなかった。このため任那復興の妨げだという理由で百済王は,その排斥欽明天皇に求めた。安羅に置かれたいわゆる「任那日本府」の執事として実務を担当し,佐魯麻都と共に親新羅,反百済の立場に立って安羅と新羅との連携を推進するうえで主導的な役割を果たした。<参考文献>田中俊明『大伽耶連盟の興亡と「任那」』

(平野卓治)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「阿賢移那斯」の解説

阿賢移那斯 あけ-えなし

?-? 6世紀の官吏
朝鮮半島東南部の安羅(あら)におかれたいわゆる任那(みまな)日本府の執事。欽明(きんめい)天皇2年(541)新羅(しらぎ)(朝鮮)と通じ,百済(くだら)の招集に応じず,佐魯麻都(さろ-まつ)らと百済主導の任那再興を妨害した。名は延那斯ともかく。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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