降つ(読み)クタツ

デジタル大辞泉 「降つ」の意味・読み・例文・類語

くた・つ【降つ】

[動タ四]《「くだつ」とも》
盛りを過ぎる。衰える。
「わが盛りいたく―・ちぬ」〈・八四七〉
日が傾き夕方に近づく。また、夜半が過ぎて明け方へ向かう。
「日―・つなへにぬべく思ほゆ」〈・二二八一〉
「夜―・ちて汝が声聞けばねかてなくに」〈・一一二四〉

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精選版 日本国語大辞典 「降つ」の意味・読み・例文・類語

くた・つ【降・斜】

  1. 〘 自動詞 タ行四段活用 〙 ( 「くだつ」とも ) ある状態が下降的に時とともに変化する。
    1. [初出の実例]「日(ひ)(クタツ)まで坐し朝(まつりこときこ)しめして」(出典日本書紀(720)武烈即位前(寛文版訓))
    2. 「吾が盛りいたく久多知(クタチ)ぬ雲に飛ぶ薬はむともまたをちめやも」(出典:万葉集(8C後)五・八四七)

降つの補助注記

「くつ(朽・腐)」と同語源。「くたつ」は「くたす」と自他対立をなし、「くだる・くだす(下)」とも関係があるか。

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