デジタル大辞泉
「自他」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
じ‐た【自他】
〘名〙
※性霊集‐七(835頃)僧寿勢入先師忌日料物願文「混二物我之多一レ諍、証二自他之不二一」
※
死霊‐三章(1946‐48)〈埴谷雄高〉「ただひたすら自他を圧服する力のみを」
② 対立、対応している両者。双方。彼我。
※太平記(14C後)三九「
我等が頸を御引出物に進するか、御頸どもを餞に給るか、其二の間に自他の運否を定め候ばや」
③ あれとこれ。あれこれ。
※保元(1220頃か)上「和漢ともに人にすぐれ、礼義を調へ、自他の記録にくらからず。文才世にしられ、諸道に浅深をさぐる」
④ 仏語。自力と他力。
※親鸞聖人消息(13C中)善性本・五「かれは自力也。これは他力なり。自他(ジタ)のかわりこそ候へども、因位のくらゐはひとしといふなり」
⑤
連歌・
俳諧で、自己の感想、動作、生活などについての表現をいう自と、他人のそれをいう他。この句を適切に連接配置するのが付合の上で重要視された。
※俳諧・山中問答(1689)附録北枝叟考「中の句人情なき時は、自他をふりわけて句作すべし。いか様に転じても中の句を両方にてみるなり」
※
国語のため(1895)〈
上田万年〉本居春庭伝「『詞の
通路』が動詞に自他の別あることを指摘してより以来」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報