限界電流(読み)ゲンカイデンリュウ

化学辞典 第2版 「限界電流」の解説

限界電流
ゲンカイデンリュウ
limiting current

電流-電位曲線において電極電位に依存しない電流電極反応は不均一反応であるので,電荷移動過程の速度とともに,それに直接関与する物質を電極表面へ供給する速度によっても支配される.一般に,電荷移動過程は電極電位を十分卑に(還元の場合)あるいは貴に(酸化の場合)することにより,その速度は十分速くなり,電流は物質の供給速度により支配される.このとき,供給速度が電極電位に依存しなければ,限界電流が現れることになる.普通,もっともよくみられるのは,拡散過程により支配される限界電流で,拡散支配の限界電流あるいは簡単に拡散電流とよばれる.そのほか,電荷移動過程に直接関与する物質が,ほかの物質から化学反応により生成される場合があり,この化学反応の速度により支配される限界電流は,反応支配の限界電流あるいは反応電流とよばれる.単位面積当たりの限界電流を限界電流密度とよぶ.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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