拡散電流(読み)カクサンデンリュウ

デジタル大辞泉 「拡散電流」の意味・読み・例文・類語

かくさん‐でんりゅう〔クワクサンデンリウ〕【拡散電流】

電子イオン正孔など、電荷をもつ担体拡散によってのみ流れる電流電界ではなく担体の密度差によって生じる。ドリフト電流とともに半導体性質を決める要素となる。また電気分解反応の溶液中でも見られる。

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化学辞典 第2版 「拡散電流」の解説

拡散電流
カクサンデンリュウ
diffusion current

拡散過程のみにより規定される電解電流電極反応電極-溶液界面で進行する典型的な不均一反応であり,もっとも簡単な場合には,反応に関与する物質の溶液母体から電極-溶液界面への拡散,界面における電荷移動反応,反応生成物の界面からの拡散という三つ過程よりなる.電荷移動反応の速度が十分大きい場合には,電解電流は,電極反応に関与する物質の拡散過程のみにより規定される.この場合の電流を拡散支配の電流,あるいは簡単に拡散電流という.拡散過程は,一般に電極電位に依存しないので,拡散電流は電極電位によらない一定値を与える.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「拡散電流」の意味・わかりやすい解説

拡散電流
かくさんでんりゅう
diffusion current

空間粒子濃度が高い部分と低い部分があると,高濃度側から低濃度側に粒子の移動が起る。この現象を拡散という。粒子が荷電粒子であれば,拡散に伴って電流が流れ,これを拡散電流という。p-n接合に順方向の電圧を加えると電子の濃度が高いn型からp型へ電子が,正孔の濃度が高いp型からn型へ正孔が拡散することにより流れる電流は拡散電流の一例である。

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