六訂版 家庭医学大全科 「陥入爪」の解説
陥入爪
かんにゅうそう
Ingrown nail
(皮膚の病気)
どんな病気か
原因は何か
窮屈な先の細い靴による爪の圧迫、不適当な爪切り、立ち仕事や肥満による過度の体重負荷ないし下肢の血流障害、あるいは、爪の水虫による爪甲の変形やけがなどが原因となります。
症状の現れ方
爪甲の角が爪廓にくい込むと、圧迫によって痛みを生じます。また、陥入した爪甲が爪廓の皮膚を突き刺すようになると、指(趾)のまわりがはれたりその部分を傷めて痛みが増強します。さらに、ばい菌が入ると、そこが、より赤くはれ上がってくるとともに、赤いできもの(
治療の方法
保存的治療と外科的治療に分かれます。
①保存的治療
a.生活指導
・足を清潔に保つことが大切なので、多少じゅくついていてもお風呂に入り、シャワーでばい菌を洗い流してください。
・救急絆創膏などで創部をおおうと、かえって蒸れてばい菌が増殖します。消毒したのち、できれば傷をおおわないか、あるいは風通しのよい薄いガーゼ1枚としてください。
・
・深爪はかえって陥入爪を増強させるので、正しい爪の切り方を皮膚科専門医に指導してもらってください。
b.ばい菌が入った時:抗菌薬を内服します。また、赤いできものがあれば除去します。
c.保存的治療にはさまざまな方法(副木法、テーピング法、爪アイロン法、人工爪、ワイヤー法、VHO法など)があるので、勝手に治療しないで皮膚科専門医を受診してください。なお、突き刺さった爪を除去することはありますが、爪の変形が強くなるので原則的に
②外科的治療
保存的治療では再発を繰り返す患者さんや、側爪廓の盛り上がり(
立花 隆夫
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報