陰沢村(読み)かげさわむら

日本歴史地名大系 「陰沢村」の解説

陰沢村
かげさわむら

[現在地名]下館市嘉家佐和かげさわ

大谷おおや川最下流の両岸小貝こかい川との合流点付近に位置する。中世下妻庄に属し、享徳三年(一四五四)一二月一一日の多賀谷朝経寄進状(安穏寺文書)に、

<資料は省略されています>

とあり、結城氏の重臣多賀谷朝経が安穏あんのん(現結城市)に当郷を寄進している。

慶長一五年(一六一〇)旗本井戸氏領となり(真壁郡郷土史)、天保八年(一八三七)の常陸御国絵図御改之記(中村家文書)には村高一二七三・九一一石、鎮守春日明神、家数五五、馬二〇、井戸大内蔵知行所とある。寛文九年(一六六九)五月には、村内の川神馬かわじまの南にあった黒子くろご堰の上流に陰沢・母子島はこじま両村民が溝を掘って引水したため、黒子村(現真壁郡関城町)周辺の水田が水不足となり、水論が起きたが、江戸の勘定奉行所での裁決で、黒子村側が勝利した(「常陸国下妻領黒子村・井上村・辻村・木戸村・保末村と影沢村・母子島村水論之事」渡辺哲家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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