裁決(読み)さいけつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

(1) 行政法上の法律関係に関する争いについて行われる裁決の申請に対して行政庁が行う裁断行為をいう。裁定などともいわれる。行政法上の法律関係の在否を確認する確認裁決 (地方自治法9,地方税法8) と,行政法上の法律関係を形成する形成裁決 (土地収用法 39以下,漁業法 45) との2種がある。 (2) 行政不服審査法で,審査請求または再審査請求に対して審査庁が行う裁断行為をいう。却下裁決,棄却裁決,認容裁決の3種がある (40条) 。裁決は書面でなされ,かつ理由が付されなければならず (理由の付記) ,関係行政庁は裁決に拘束される (41条以下) 。

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デジタル大辞泉の解説

[名](スル)
その物事がよいか悪いかを裁いて決定すること。また、それを申し渡すこと。「裁決を仰ぐ」「どちらが正しいか先生に裁決してもらう」
審査請求または再審査請求に対し、行政庁が判断を与える行為。また、その決定。

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世界大百科事典 第2版の解説

行政庁が,申立てや申請に基づいて,ある程度訴訟手続に準じる慎重な手続を経て,行政上の法律関係における紛争解決のために行う判断をいい,次のものがある。なお,裁決のこのような性質から,裁決をした行政庁は,後において裁決に誤りがあることを発見しても,これを取り消したり変更したりすることは許されない。(1)行政不服審査法は,行政不服審査を求める不服申立ての一種である審査請求または再審査請求に対して,審査請求または再審査請求をうけた行政庁が行う判断を,裁決と呼んでいる。

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大辞林 第三版の解説

スル
物事の正邪、理非を考えて、上の者が決定を下すこと。 理事会で-する
行政に関する国民の不服申し立ての審査請求に対し、行政庁が争訟手続きによって判断を与える行為。また、その決定。 同音語の採決は会議の構成員の意思で議案の可否を決定することであるが、それに対して裁決は上の者が物事を決定することをいう
[句項目] 裁決流るる如し

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

行政庁が争訟手続を経て行う決定をいう。実定法上は裁決、裁定、決定、判定、審決などのことばで表現されている。
(1)行政庁が第一次的に行った行政処分に対してなされた不服申立てについて審査庁がする決定をいう。その原則を定める法律は行政不服審査法(昭和37年法律160号)である。裁決は書面で、かつ理由を付し、審査庁が記名押印しなければならない。裁決は、審査請求人に裁決書の謄本の送達(これによりがたいときは公示)をすることにより効力を生ずる。裁決は関係行政庁を拘束する。
(2)対等の当事者間の紛争を行政庁が裁断する決定をいう。例外的にのみ認められている(土地収用法39条以下、漁業法45条、鉱業法90条以下、採石法12条以下、公害紛争処理法42条の2以下、地方税法8条、地方自治法9条など)。[阿部泰隆]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① 物事の理非を裁定すること。また、それを申し渡すこと。さばくこと。
※権記‐長保元年(999)一二月五日「只依殺害事発在彼国、遣使与国司令裁決也」
※学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉六「盗賊を捕てそれを笞つ等のことあれば、即ち国の法を犯し、自から私に他人の罪を裁決する者にて、これを私裁と名け」 〔五代史‐蘇逢吉伝〕
② 行政庁が、行政処分の不服を訴える審査請求に対し、争訟手続によって判断を与えること。また、その決定。
※かくれんぼ(1891)〈斎藤緑雨〉「女受(をんなうけ)の秘訣色師たる者の具備すべき必要条件法制局の裁決(サイケツ)に徴して明かで御座る」

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世界大百科事典内の裁決の言及

【審判】より

…特許審判,海難審判,公正取引委員会の行う審判などがこれに当たる。その手続の結果出される判定の呼称は一様でなく,特許審判,公正取引委員会の審判では審決といい,海難審判では裁決という(特許法157条,独占禁止法54条,海難審判法42条)。このような審判を行う者を審判官という。…

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