精選版 日本国語大辞典 「陸ずっぽ」の意味・読み・例文・類語
ろく‐すっぽ【陸すっぽ・碌すっぽ】
- [ 1 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「碌」はあて字 ) 下に打消の語を伴って、物事の程度が十分でないさま、満足な状態でないさま。ろくだま。ろくすっぽう。ろくそっぽう。
- [初出の実例]「露店から叩き上げて碌すっぽな眼識も無くて度胸一つで」(出典:読書放浪(1933)〈内田魯庵〉下谷広小路)
- [ 2 ] 〘 副詞 〙 下に打消の語を伴って、物事を満足になし遂げないさまを表わす語。まともに。ろくに。ろくろく。ろくすっぽう。ろくそっぽ。ろくそっぽう。ろくたま。
- [初出の実例]「六ズッポ返事さへせぬはつ鰹」(出典:俳諧・文政句帖‐七年(1824)一一月)
陸ずっぽの補助注記
下に打消を伴った「ろくそっぽう」が古く、後に「あてずっぽう」に引かれて、「ろくすっぽう」「ろくすっぽ」となったかと考えられる。また、「ろくそっぽう」の成立には、「そっぽう」「そっぽ」(よその方向、また、無法なさまの意)が影響している可能性がある。