隈無(読み)くまなし

精選版 日本国語大辞典 「隈無」の意味・読み・例文・類語

くま‐な・し【隈無】

〘形ク〙
① くもりやかげがまったくない。隠れているところがない。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「秋風、河原風まじりてはやく、草むらに虫の声みだれてきこゆ。月くまなうあはれなり」
② 隠しへだてがない。わだかまりがない。
源氏(1001‐14頃)夢浮橋僧都御心は、聖といふ中にも、あまりくまなく物し給へば、いまさらに残りては聞え給ひてんや」
③ 行き届かないところがない。万事に行き渡っている。抜かりがない。
※源氏(1001‐14頃)夕顔惟光『いささかの事も、御心にたがはじ』と思ふに、おのれもくまなきすき心にて」
くまな‐げ
〘形動〙
くまな‐さ
〘名〙

くま‐なく【隈無】

〘副〙 (形容詞「くまなし」の連用形から) 行き届かない所がなく。すみずみまで。
唱歌・広瀬中佐(文部省唱歌)(1912)「船内隈(クマ)なく、尋ぬる三度(みたび)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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