雄鉾岳
おぼこだけ
渡島山地の中央部に位置し、八雲町と熊石町の境にある。標高九九九・三メートル。「風俗人情之沙汰」の産物の項に鉛山として「見市村の奥ヲボコ嶽最上たりといふ。先年江指村の者掘りたる時、一ケ年三百箇程出来たり」とみえる。見市村(現熊石町)は当山西麓の村。「蝦夷巡覧筆記」に蚊柱村(現乙部町)からの眺めが「ユウラツフノヲホロ山遠クニミユル」と記される。文化四年(一八〇七)の秦檍丸東蝦夷地屏風(市立函館図書館蔵)には「ヲブコ岳」とある。浸食が進んで山体は比較的おだやかな形であるが、双耳峰をもち、北東部は高さ二五〇メートルに及ぶ岩壁があって特異な姿をみせる。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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