日本大百科全書(ニッポニカ) 「熊石」の意味・わかりやすい解説
熊石
くまいし
北海道南西部、檜山(ひやま)支庁(現、檜山振興局)管内にあった旧町名(熊石町(ちょう))。現在は渡島(おしま)総合振興局二海(ふたみ)郡八雲(やくも)町の西部を占める地域。旧町域は日本海に面する。旧熊石町は1962年(昭和37)町制施行。2005年(平成17)、山越(やまこし)郡八雲町と合併、二海郡八雲町となる。旧町名は奇岩の雲石(くもいし)からの転訛(てんか)説や、アイヌ語の「クマウシ」(魚を干す竿(さお)のある所)が転訛した説などがある。旧町域は遊楽部岳(ゆうらっぷだけ)南麓(ろく)に位置し、山がちである。海岸を国道229号が走り、太平洋側の八雲市街との間に277号が通じる。かつてはニシンの千石場所で栄え、現在も漁業が主産業である。スケトウダラ、イカ、ホッケ、マス、アワビ、ウニなどを漁獲する。道南霊場の門昌庵(もんしょうあん)、円空上人(しょうにん)滞洞跡などの史跡があり、柱状節理の立待岬(たちまちみさき)などは檜山道立自然公園の景勝地。平田内(ひらたない)温泉、見市(けんいち)温泉がある。
[瀬川秀良]