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雇い止め やといどめ

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知恵蔵2015の解説

雇い止め

期間の定めのある雇用契約において、雇用期間が満了したときに使用者が契約を更新せずに、労働者を辞めさせること。正社員として雇用された場合は、期間の定めのない雇用契約であり、定年か解雇以外で辞めさせられることはないが、期間雇用の場合は、期間満了ごとに契約を更新しないと雇用が保障されない。期間雇用の雇い止めは、正社員の解雇とは異なるが、それまでに何回か契約が更新され、使用者から継続を期待させる言動があった場合、契約の更新を期待していた労働者にとっては解雇と異ならない。そのため、判例においては、雇い止めについても、解雇に関する法理(解雇権濫用<らんよう>法理)を類推して雇用を保証するケースがあると認めている。契約期間途中に使用者が契約を解除することは、雇い止めではなく解雇であり、期間の定めのない雇用契約で許される解雇事由より厳しい要件が必要である(使用者は損害賠償の責任を負うこともある)。非正規労働者(期間工や派遣労働者など)の契約中途解除は、企業の都合で自由にできるものではないが、2008年10月から09年3月にまでに、派遣や期間工など約8万5千人が期間満了や中途解除で職を失うことになり、社会問題化している。
フランスなどでは、期間雇用労働者を雇い入れ時に明確な臨時的必要性を要求する立法があるのに対し、日本では期間雇用契約の締結それ自体を制限する立法はなく、労働基準法が、期間を定める場合は原則として3年を上限としているだけである。そのため日本では、恒常的に労働者が必要な部署にも景気変動に対する雇用の調整弁として期間労働者が雇われていることがある。
雇い止めをめぐるトラブルを避けるため、厚生労働省は、「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を策定し、(1)使用者は、契約を更新する場合またはしない場合の判断基準を労働者に対して明示すること、(2)有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に対して契約を更新しない場合は、少なくとも契約期間が満了する30日前までにその予告をすること、などの基準を定めている。

(秋津あらた ライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

雇い止め

非正社員の契約の中途解除・不更新などによる企業の雇用調整。11月25日時点で各地の労働局などが把握しているだけでも、全国の実施済みまたは実施予定数は10月~来年3月で約3万人。四国では高知県61人、愛媛県366人、香川県190人、徳島県102人。

(2008-12-16 朝日新聞 朝刊 高知全県 1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

やとい‐どめ〔やとひ‐〕【雇い止め】

有期労働契約の期間満了時に事業主が契約の更新を拒否し、一方的に契約を終了させること。→派遣切り
[補説]労働者保護の観点から、使用者は有期契約労働者に対して、契約更新の有無やその判断基準を明示することや、契約を更新しない場合には事前予告することなどが義務づけられている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

雇い止め
やといどめ

有期雇用契約を使用者が更新せず、労働者を辞めさせること。通常は有期雇用契約満了後も自動更新が繰り返され雇用が維持されることが多い。しかし、いったん景気後退により工場稼働率などが低下すると、契約は更新されずに多くの労働者が職を失う。世界金融危機にみまわれた2008年(平成20)~2009年にかけて、派遣契約労働者を使用する企業が人材派遣業者との契約をおもに期間満了前に打ち切る「派遣切り」により、派遣労働者が人材派遣業者から雇い止めにあったことや、海外から日本への出稼ぎ労働者を含む多くの期間工が雇い止めにあったことが社会問題化した。なお、契約期間中に使用者が契約を解除する場合には、雇い止めではなく解雇となる。雇い止めによるトラブルを避けるため、厚生労働省はガイドラインとして「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」を策定した。このガイドラインは、使用者に対し、契約を更新する場合としない場合との判断基準を労働者に対してあらかじめ明示することを求めているほか、有期契約が3回以上更新されているか、1年を超えて継続して雇用されている労働者に対して契約を更新しない場合には、少なくとも契約期間が満了する30日前までに予告することを求めている。[編集部]

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