離見の見(読み)リケンノケン

デジタル大辞泉 「離見の見」の意味・読み・例文・類語

離見りけんけん

世阿弥能楽論で、演者が、自分をはなれ観客の立場で自分の姿を見ること。自分の演技について客観的な視点をもつことをいう。離見

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の離見の見の言及

【演劇】より

…そこに現れるのは,演劇という営為につきものである〈他者〉という,結局は予見不可能な偶然性の働きであり,その〈他者〉とは,まずは演戯者自身の二重性にひそんでいる。世阿弥が〈離見の見〉という語で言おうとしたことは,このような他者の視線に身をさらして演戯することの条件そのものに対する戦略であった。 劇作術とのかかわりで付け加えれば,代行型演戯による演劇は,アリストテレスも定義するとおり,作者が報告者の立場に終始する〈歴史〉とも,作者が報告者でありかつ物語中の人物にもなる〈叙事詩〉とも異なって,作者が現実の人間を行動させることによって物語を語るのである。…

※「離見の見」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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