難治性うつ病

六訂版 家庭医学大全科 「難治性うつ病」の解説

難治性うつ病
(こころの病気)

 うつ病全体の20%程度が難治性といわれています。難治性うつ病の判断は統一されていませんが、2種類の抗うつ薬を4~6週間使用しても改善しない場合には難治性うつ病ととらえて、診断を再検討し、今後の治療方針を立てる必要があります。一般的な体の病気によるうつ病や、元気になりすぎる躁状態を示すこともある(そう)うつ病のうつ状態などが含まれ、うつ病ではない可能性も検討する必要があるからです。

 難治性うつ病の原因はよくわかっていませんが、アルコール依存症や軽いうつ状態が数年にわたり続く気分変調症をこれまでに経験していたり、パーソナリティ障害を合併していると、うつ病が治りにくくなることが知られています。

 難治性うつ病の治療は、他の抗うつ薬への切り替え、抗うつ薬の増強療法、電気けいれん療法などの治療が推奨されています。抗うつ薬の増強療法としては、抗うつ薬同士の併用リチウム甲状腺ホルモン、ドーパミン作動薬などを追加するという選択肢があります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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