精選版 日本国語大辞典 「雨もよに」の意味・読み・例文・類語
あめも‐よに【雨よに】
- 〘 副詞 〙 雨が間断なく勢いよく降るうちに。あまもよに。
- [初出の実例]「をとこのまで来で、ありありて雨の降る夜〈略〉月にだに待つほど多くすぎぬれば雨もよにこじと思ほゆるかな〈伊衡女いまき〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)恋六・一〇一一)
雨もよにの語誌
平安中期から鎌倉初期にかけて和歌を中心に用いられた。「雪もよに」「汗もよに」の形もある。「雨も夜に」「雨催ひに」の説もあるが、「よ」は、雨・雪・汗が水に関わること、この語の見える和歌の詞書に「雨のいたうふりける夜」「雨のいたうふる夕暮に」〔和泉式部続集‐上〕とあることから、水などが間断なく注ぎ、流れ落ちる意の副詞「よよ」の略と思われる。