日本大百科全書(ニッポニカ) 「雪竇重顕」の意味・わかりやすい解説
雪竇重顕
せっちょうじゅうけん
(980―1052)
中国、北宋(ほくそう)代の禅僧。雲門宗の中興の祖。賜号は明覚大師(みょうかくだいし)。字(あざな)は隠之(いんし)、諱(いみな)を沖顕(ちゅうけん)ともいう。俗姓は李(り)氏。遂州(すいしゅう)(四川(しせん)省)の人。益州(えきしゅう)(四川省)普安院の仁銑(じんせん)の下で出家。大慈寺元瑩(げんえい)、石門蘊聡(うんそう)に参じ、智門光祚(ちもんこうそ)(950ころ―1030ころ)に嗣法(しほう)する。蘇州(そしゅう)(江蘇(こうそ)省)洞庭翠峯(すいほう)に住し、ついで雪竇山資聖寺(ししょうじ)に住すること30余年、雲門宗の復興を果たした。詩文に優れ、『頌古百則(じゅこひゃくそく)』は禅の歴史に大きな影響を与え、圜悟克勤(えんごこくごん)が評唱を加えて『碧巌録(へきがんろく)』となった。皇祐(こうゆう)4年6月10日示寂。『語録』6巻がある。
[石井修道 2017年2月16日]