語録(読み)ごろく

  • 語録 yǔ lù

百科事典マイペディアの解説

禅宗で師家が悟りの心要を述べた教語を弟子らが筆録した書。慧能(えのう)の《六祖大師法壇経》など。主要な教え(語要)に詩偈(しげ),文疏(ぶんしょ)を付加したものを広録という。

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世界大百科事典 第2版の解説

禅僧の説法問答などを筆録する,口語文献の総称。今,ある個人の特色ある発言を集めて,語録というのは,その転化である。口語文献は,すでに《論語》や《孟子》をはじめ,六朝の逸話を集める《世説新語》に先例があるが,唐代以後,禅仏教の発展とともに,従来の訓詁中心の著述以外に,すぐれた師弟の日常茶飯の語を尊ぶ風が生まれて,新しい語録の編集が盛んとなり,禅仏教以外にも,多くの宋儒の語録があらわれる。いずれも,同時代の文学や歴史,哲学の書に大きく影響して,新しい個性の開発を助け,学問の方法を変え,その担い手を拡大するなど,近世中国文明の大きい特色の一つとなる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

祖師の法話、説法、問答などの語を、その場に参随していた者が記録したもの、もしくは祖師の法語の記録類を集成したもの。書物に頼った観念的な知識の習得よりも、人格と人格との出会いによる体得を重視した禅宗で生まれ、語録が重視された。唐代の『臨済録』が代表的なものである。美辞麗句を用いることなく、道理を伝えることを目的にした筆録体の散文で記された。わが国では、法語のなかに語録をも含めて用いている。代表的な作品には、親鸞(しんらん)の法語を弟子の唯円(ゆいえん)が記録した『歎異抄(たんにしょう)』、口ずから伝えられた親鸞の法語を収める覚如(かくにょ)撰(せん)の『口伝鈔(くでんしょう)』、道元(どうげん)の説示を参随者懐弉(えじょう)が筆録した『正法眼蔵随聞記(しょうぼうげんぞうずいもんき)』、一遍(いっぺん)の法話の記録を後世になって集録した『一遍上人(しょうにん)語録』などがある。

[伊藤博之]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 宋・明以後、儒者や僧のことばを記録した書。転じて、偉人などの言葉を集めたものなどについてもいう。
※正法眼蔵随聞記(1235‐38)六「語録、公案等を見るには、百千に一つ、いささか心得られざるかと覚ゆる事も出で来たる」

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世界大百科事典内の語録の言及

【朱子語類】より

…朱子学の大成者朱熹(しゆき)が門人たちと交わした座談の記録集。1270年,黎靖徳(れいせいとく)が記録者別のノート(語録という)を項目別に再編成したもの。全140巻。…

【禅】より

…如来清浄禅より,そうした祖師禅への脱皮は必然である。馬祖以後,師祖たちの言行をまとめて,語録とよばれる新しい型の本が登場する。語録は,経論の訓詁や,体系の書とは異なる,一人一人の個性の記録である。…

※「語録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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