雲腸(読み)クモワタ

精選版 日本国語大辞典 「雲腸」の意味・読み・例文・類語

くも‐わた【雲腸】

  1. 〘 名詞 〙(たら)はらわた。鱈の腸。色白く、形が雲を思わせるところからいう。汁にして食べる。菊腸(きくわた)。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「雲膓や空にしられぬ雪の魚〈如白〉」(出典:俳諧・詞林金玉集(1679)一五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の雲腸の言及

【白子】より

…タラの白子は菊子(きくこ)ともいう。古くは雲腸(くもわた),菊腸(きくわた)などと呼ばれて賞味された。白子のタンパク質は必須アミノ酸,ことにアルギニン,ヒスチジンを多く含んでいる。…

【タラ(鱈)】より

…たらこと呼ぶ塩蔵品はスケトウダラの卵巣で,マダラのそれはふつう生たらこといい,煮つけにする。白子,つまり,精巣はわん種や煮つけにするが,これは古くから〈雲腸(くもわた)〉と呼ばれて珍重された。塩干品の干ダラは手ごろの大きさに切って何枚か重ね,柿(こけら)板に見たてて〈屋根板〉という蔑称,ないしは卑称も行われたが,室町期には貴人饗応の献立に名を連ねている。…

※「雲腸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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