電子供与性基(読み)デンシキョウヨセイキ

化学辞典 第2版 「電子供与性基」の解説

電子供与性基
デンシキョウヨセイキ
electron-donating group, electron-releasing group

水素原子と比較して,結合している原子側に電子を与えやすい置換基をいう.誘起効果やメソメリー効果(または共鳴効果)などの総和として,電子を与えやすいことを意味する.水素原子と比べ,置換基定数は負の値をもつ.代表的な置換基は,-OH,-OCH3,-OCOCH3,-NH2,-NHCOCH3,-N(CH3)2,-CH3などである.電子供与性基はベンゼン環に導入されるとそのオルト位,パラ位の電子密度を上げるため,求電子置換反応オルト-パラ配向性になる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android