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誘起効果 ゆうきこうかinductive effect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

誘起効果
ゆうきこうか
inductive effect

感応効果,I効果ともいう。ある化学結合分極が結合鎖に沿って近傍の結合に伝わる効果。最初 G.ルイスによって考えられ,のちに C.インゴールドによって命名 (1926) された。有機電子論の1つの重要な概念となっている。分子の正常状態において存在するものを静的誘起効果といい,反応の過程で一時的に現れるものを動的誘起効果という。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

誘起効果
ゆうきこうか
inductive effect

有機化合物の反応性は、その化合物の電子状態、ことに電子密度やその変化の仕方により理解される。このような考え方(この考えが確立されるまでは有機化学反応の電子論とよばれた)で、分子内のある置換基が飽和結合(σ(シグマ)結合)を通して反応部位に電子を供給あるいは吸引する効果で、感応効果ともいう。たとえば、酢酸の酸解離定数はそのメチル基の水素の1個、2個および3個を順に塩素で置換する順、すなわちH3CCO2H,ClCH2CO2H,Cl2CHCO2H,Cl3CCO2Hの順に増加する。これは、塩素の電気陰性度が炭素よりも大きいため、メチル基側からσ結合を介して電子を吸引するため、カルボン酸が解離しやすくなる結果である。[徳丸克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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