電気熱量計(読み)でんきねつりょうけい(その他表記)electric calorimeter

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「電気熱量計」の意味・わかりやすい解説

電気熱量計
でんきねつりょうけい
electric calorimeter

加熱と測温を電気的に行う熱量計。加熱は電気抵抗法,測温には抵抗温度計熱電温度計を用い,ジュール熱と試料系の温度上昇の関係から,比熱,潜熱を求める。ネルンストの熱量計は,真空容器内で銀製円筒に試料をゆるくはめ,その間隙に白金線を巻いて通電加熱と抵抗温度計に兼用する。電気液体熱量計では,二重容器内筒に試料液体,外筒に水を入れ,隔壁に上記同様に白金線を巻く。液流比熱計は,真空容器内の細管に試料液体を定速で流しつつ管内の電熱線で加温し,入口と出口の液温差を抵抗温度計ではかる。サイクスの測定法は,小型電熱器を挿入した金属試料を中空銅塊内に熱絶縁して入れ,微電流で試料を加熱して銅塊との温度差を示差熱電温度計ではかる。規則不規則転移などの微小潜熱もよく検知される。電気的手法の利点は,測定精度の著しい向上と,熱的変化を動的に追跡できることである。

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