化学辞典 第2版 「電気的分散法」の解説
電気的分散法
デンキテキブンサンホウ
electrical dispersion method
液体中で種々の金属を電極として放電させると,電極金属あるいはその酸化物のコロイドができる.これを電気的分散法という.このとき,電極金属は放電の際には蒸発したのち,凝集してコロイドを生成するものと考えられるから,単なる分散法とはいえない.しかし,電極からみれば分散したことになる.放電の形式上,直流法と交流法とがある.直流法では,直流電圧をかけた両電極を液体中で断続的に接触させると火花が発生し,そのとき金属が分散する.これをBredig法ともいう.発熱しやすいので容器を冷却するが,一般にこの反応でつくったゾルは,粒子が粗くて沈降するものが多い.これに対して,電極を液体中で少し離して固定しておいて,これに交流,とくに高周波電圧をかけると,液中で持続的に放電が起こり,比較的発熱も少なく安定なゾルが得られる.これをスベドベリ(Svedberg)法という.白金や金などは,この方法に適した電極材料である.アルミニウム,鉄,銅などを電極とすると,水酸化物のゾルができる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報