電流制限器(読み)でんりゅうせいげんき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「電流制限器」の意味・わかりやすい解説

電流制限器
でんりゅうせいげんき

電力会社需要家との最大使用電流値(アンペア)の料金契約用として使用される装置である。アンペアブレーカーあるいはリミッターともいわれる。需要家が契約電流値を超えて電気を使用すると自動的に電気を切り、料金契約を適正に行う目的で電力会社が設置し所有、管理するものである。また、需要家が使用している負荷機器や屋内配線故障によって流れる異常な大電流についても安全に遮断する機能を備えている。

 関西電力などいくつかの電力会社では電気供給約款に「電流制限器」の定めがなく、その場合は電力量計までが電力会社の所有で、需要家の主幹ブレーカー(漏電ブレーカー安全ブレーカー)につなぎ込みが行われる。

[内田直之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の電流制限器の言及

【スイッチ】より

…少し大きな電力用にはカバー付きナイフスイッチknife switchや箱開閉器がある。30Aまでの電流制限器(ブレーカー)は家庭への電力引込口に取り付けられ,電流が規定値を超えると自動的に切断動作を行うスイッチである。電子機器用トグルスイッチtoggle switchは最大4回路の開閉または切換えができる250V,20A以下のスイッチである。…

【ブレーカー】より

…ふた付き陶磁製容器の中にヒューズを納めた安全器に代わって,屋内分岐線を保護するために使われる配線用遮断器の一種を,ノーヒューズブレーカー,あるいは安全ブレーカーと呼び,これを略称してブレーカーという(表1)。また引込口に近いところに設置される開閉器で,電力会社と需要家との間の電力供給上の契約条件(アンペア契約)を実行する目的で,負荷電流が規定の値を超えたとき自動遮断する電流制限器も安全ブレーカー,あるいは単にブレーカーと呼ばれている。 構造は接触部,開閉機構,バイメタルなどの引はずし装置・端子を,成形された絶縁物容器内に一体に組み込み,小型軽量に作られている(図)。…

※「電流制限器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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