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所有 しょゆうproperty; Eigentum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

所有
しょゆう
property; Eigentum

主として,K.マルクスの社会理論の中で厳密化されてきた概念である。吉田民人は,マルクスの所有概念を「一定の社会構成体の内部で社会的に保障された,一定の類的または個的主体による,一定の生産または生活諸条件に対する,一定のわがものとしての関係行為」と要約している。さらに吉田は,所有概念を,「社会的制御能」の概念に一般化し,その内的な構造をていねいに分析している。社会的制御能とは,「一定の社会システムにおいて社会的に保障または禁制された,一定の主体の,一定の資源に対する,一定の自律的な関係行為の可能性の集合」のことである。なお,所有と類似の用語に,M.ウェーバーが使った「専有 Appropriation」がある。

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デジタル大辞泉の解説

しょ‐ゆう〔‐イウ〕【所有】

[名](スル)自分のものとして持っていること。また、そのもの。「多大な財産を所有する」「父の所有する土地」
[用法]所有・所持所蔵――「田中氏所有(所持・所蔵)の古写本」など、単に持つ意では相通じて用いられる。◇「彼は山林を所有している」「これが私の所有するカメラです」のように、大小にかかわらず、自分の物として持っていることが「所有」である。多く財産的な価値のある物についていい、「高級車を所有している」とはいえても、「菓子を一袋所有している」などとはいいにくい。◇「所持」は一般には身につけて持っていることか、どこかに保管していることで、「所持品を検査する」「盗品所持の罪」などという。◇「所蔵」は所有する物を大切にしまいこんでいることで、「彼は国宝級の名画を所蔵している」など。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょゆう【所有】

所有とは,人間が生存するうえで不可欠な,外界物資に対する支配を表す概念である。したがってそれは,第一義的には人と物の間の関係である。人間が経済活動を営む際には,生産を目的としたものであれ直接消費の目的であれ,外的物資に働きかけるが,この活動が現実に意味をもつためには,物資は主体にとって有用でかつ制御可能なでなければならない。制御とは,(1)消費,生産といった財の変換,(2)交換のような財の入手・処分,の二つの意味をもつ。

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大辞林 第三版の解説

しょゆう【所有】

( 名 ) スル
自分の物として持つこと。また、そのもの。 「財産を-する」 「国の-に帰す」 「 -地」

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世界大百科事典内の所有の言及

【知行】より

…補任権者(国司,領家,幕府)の側でも,〈相伝の所領たるによって,○○職に補任する〉という趣旨の補任状を発給してなんらあやしまなかったのである。 このように,知行は中世の所有法体系にとって中核的意味をもったので,これまで法制史学上,その法的性質をめぐって論争がくりひろげられてきた。この時代には,近代法にあるような抽象的な所有権の観念がなく,ひとびとは〈○○職が何某の所有権に属する〉とか〈○○職について何某が所有権をもっている〉とかいういい方はせず,〈何某が○○職を知行する〉〈何某が知行する○○職〉と表現した。…

※「所有」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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