青根ヶ峯(読み)あおねがみね

日本歴史地名大系 「青根ヶ峯」の解説

青根ヶ峯
あおねがみね

[現在地名]吉野町大字吉野山

吉野町と黒滝くろたき村・川上かわかみ村の境にある。吉野山の最南端にあたり、宝塔ほうとうヶ峯の峰続き左手の山で谷を隔てて高城たかぎ山に相対する。付近の最高峰で、標高八五七・九メートル。吉野の山麓一帯を潤す水源地であり、円錐形の山姿は、かつて「万葉集」巻七に「神さぶる磐根こごしき」と詠まれた水分みくまり山にふさわしい。東流する水は音無おとなし川となって蜻蛉せいれい滝から西河にしがわで、北流する水は喜佐谷きさだに川(きさの小川)となって宮滝みやたきからゆめのわだで、西流すると秋野あきの川となり、桃花里つきのさとを経て下市しもいち町で、南流すると槇尾まきお川・黒滝川・丹生にう川となってそれぞれ吉野川に注ぐ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の青根ヶ峯の言及

【吉野宮】より

…奈良県の吉野川右岸(北側)にあった古代の宮(離宮)。元来の吉野は中央構造線の走る吉野川右岸の野や山を指しており,吉野寺(比曾寺とも,大淀町比曾),吉野山口神社(吉野町山口),吉野宮がこの地域に所在した。《古事記》《日本書紀》によれば,応神・雄略朝に吉野宮に行幸した記事がみえるが,確実には656年(斉明2)に造営されたとみるべきだろう。壬申の乱の勃発前夜に大海人皇子(後の天武天皇)は半年余吉野宮に隠栖していたし,679年(天武8)5月5日に天武天皇は皇后(後の持統天皇)や草壁皇子以下の6皇子と,吉野宮で有名な誓約を行っている。…

※「青根ヶ峯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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