非プロトン性溶媒(読み)ヒプロトンセイヨウバイ

化学辞典 第2版 「非プロトン性溶媒」の解説

非プロトン性溶媒
ヒプロトンセイヨウバイ
aprotic solvent

イオン化するプロトンがない溶媒をいう.次の三つに分けられる.
(1)非極性または弱い極性で,強く溶媒和しないもの.CCl4シクロヘキサン代表される.溶媒の影響を無視したいときに用いる.
(2)非イオン性で,極性があり,強く溶媒和するもの.アセトニトリルジメチルホルムアミドジメチルスルホキシドテトラヒドロフランなどほとんどがこの範ちゅうに入る.
(3)極性が非常に高く,自己イオン化するもの.たとえば,

2BrF3 = BrF2 + BrF4

など.反応性が高いので扱いにくい.代表として,BrF3,Cl3POなどがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「非プロトン性溶媒」の意味・わかりやすい解説

非プロトン性溶媒 (ひプロトンせいようばい)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の非プロトン性溶媒の言及

【プロトン性溶媒】より

…O-H,N-H,F-Hなどのプロトン供与性(水素原子をプロトンとして放つ性質)の基を含む溶媒。これに対し,プロトン供与性をもたない溶媒は非プロトン性溶媒nonprotic solventと呼ばれ,これは極性を有しない非極性非プロトン性溶媒と極性を有する極性非プロトン性溶媒に分けられる。代表的なものは,前者についてはヘキサン,ベンゼンのような炭化水素,後者ではエーテル類(例えばジエチルエーテル,テトラヒドロフランなど),ジメチルスルホキシド(CH3)2SO(略称DMSO),ジメチルホルムアミド(CH3)2NCHO(略称DMF),ヘキサメチルホスホリックトリアミド[(CH3)2N]3P=O(略称HMPA)などである。…

※「非プロトン性溶媒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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