非線形景気循環論(読み)ひせんけいけいきじゅんかんろん(英語表記)theory of nonlinear business cycles

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「非線形景気循環論」の意味・わかりやすい解説

非線形景気循環論
ひせんけいけいきじゅんかんろん
theory of nonlinear business cycles

景気循環論の一つ。景気循環の分析をするにあたって非線形モデルが必須であると考える理論。持続的かつ一定枠内での景気変動を記述するために,線形モデルでは外生的な要因が必要とされるが,非線形モデルを用いれば外生要因は必要とされない。たとえば R.グッドウィン加速度原理の非線形化を試みる。また J.R.ヒックスの景気循環論が天井を設定するのも非線形モデルの一つである。しかし,実際の景気循環は非対称な波を描くが,非線形景気循環モデルは左右逆の非対称性を示す傾向があり,現実のデータとの整合性はいまのところ達成できていない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android