韃靼漂流記(読み)だったんひょうりゅうき

改訂新版 世界大百科事典 「韃靼漂流記」の意味・わかりやすい解説

韃靼漂流記 (だったんひょうりゅうき)

江戸初期,越前商人の韃靼国(清国)漂流の記録。《韃靼物語》《異国物語》ともよばれる。1644年(正保1)越前国坂井郡三国浦新保村の船頭竹内藤右衛門ら58人は三国港を出帆し,松前貿易に赴いたが,途中船が難破して今のロシア沿海州のポシエト湾に漂着した。生存者15名は清国政府の手厚い保護を受け,国都北京へ連行されたのち,翌45年朝鮮を経て日本へ送還された。この記録はその間の経緯を記したものであるが,時あたかも清朝が都を北京に遷した時期にあたり,当時の様子が生き生きと伝えられていて,貴重な記録となっている。
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