韮山笠(読み)ニラヤマガサ

デジタル大辞泉 「韮山笠」の意味・読み・例文・類語

にらやま‐がさ【×韮山×笠】

幕末、伊豆韮山の代官江川太郎左衛門が考案したことから》こよりを編んで黒漆を塗った、平たい円錐形の笠。砲術訓練の武士が用いた。藪潜やぶくぐり

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精選版 日本国語大辞典 「韮山笠」の意味・読み・例文・類語

にらやま‐がさ【韮山笠】

〘名〙 こよりで編み、黒漆を塗った笠。形は編笠に似て小型で扁平。江戸末期、伊豆韮山の代官江川太郎左衛門の考案になり、砲術訓練の士卒が用いた。やぶくぐり。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

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世界大百科事典(旧版)内の韮山笠の言及

【笠】より

…形の上から平笠,尖(とがり)笠,褄折(つまおり)笠,桔梗(ききよう)笠などがあり,用途上から雨笠,陽笠,祭りや踊りに用いる花笠,戦陣で下級武士のかぶった陣笠や騎射に用いた騎射笠などと呼ばれるものがあった。着用者別には市女笠,三度飛脚の三度笠,六部笠,女笠など,また,韮山(にらやま)代官江川太郎左衛門がつくったといわれる韮山笠や加賀笠のように地名を冠したもの,吉弥笠など人名にちなむものもあった(図)。
[笠の材料・形・製法]
 笠の材料は,イグサ,スゲ,カヤ,稲わらや麦わらの茎,ヒノキ,松,杉,竹の削片,さらにシュロ皮,布,紙,獣皮などが用いられる。…

※「韮山笠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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