日本大百科全書(ニッポニカ) 「音声符号化」の意味・わかりやすい解説
音声符号化
おんせいふごうか
音声波形の情報を、できるだけ少ない情報量(ビット/秒)で表現する方法。携帯電話・PHS(簡易移動電話)の普及により、使用可能な電波帯域を有効に使用して、多数の回線を確保するためにも、またマルチメディア技術の発展により、画像と音声の情報を自由に記録・再生するためにも、音声情報をコンパクトな形で記憶する方法が必要となっている。そのための技術が音声(高能率)符号化であり、現在の主流技術は、CELP(コード化音源励振線形予測)方式である。これは、対象となる音源波形を、あらかじめ記憶されている何種類かの音源波形から、双方の波形の差が最小になるように選ぶ方式である。その結果、4~8キロビット/秒の情報量で原音声と音質的にほとんど差のない音声を伝送または記録・再生することができる。
[中田和男]