食掛(読み)くいかける

精選版 日本国語大辞典 「食掛」の意味・読み・例文・類語

くい‐か・ける くひ‥【食掛】

〘他カ下一〙 くひか・く 〘他カ下二〙
① 食べはじめる。
※落語・三十石宝の入船(1896)〈四代目橘家円喬〉「御飯(ごぜん)を喰ひ掛けると河岸の方から『ヲーイ船が出るヨー』と一声
② 食べかけて中途でやめる。また、物事をしはじめて中途でやめる。
※落語・侍の素見(1896)〈四代目橘家円喬〉「彼方此方(あっちこっち)喰ひ掛けて其処へ置いちゃア困りますな」
文句を言う。くってかかる。
洒落本・契国策(1776)東方「三味せんはこへ枕を入れてあるけのとくひかけたり」

くい‐かか・る くひ‥【食掛】

[1] 〘自ラ五(四)〙
① おどりかかって食いつこうとする。
※竹取(9C末‐10C初)「いはん方なくむくつけげなるもの来て、くひかからんとしき
② くってかかる。たてつく。反抗する。
[2] 〘他ラ五(四)〙 食べはじめる。

たべ‐か・ける【食掛】

〘他カ下一〙 たべか・く 〘他カ下二〙 食べ始める。また、途中まで食べる。
※歌舞妓年代記(1811‐15)一「さらば一粒たべかけて、其気味合をお目に懸ませう」

たべ‐かけ【食掛】

〘名〙 食べている途中でやめること。また、その食べ物。くいかけ。食べさし。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)前「これはたべかけで、きたなうござります」

くい‐かけ くひ‥【食掛】

〘名〙 食べかけて、途中でやめること。また、その食べ物。くいさし。くい残し。
※雑俳・柳多留‐二八(1799)「喰ひかけの芋を忠盛へ下ださるる」

くって‐かか・る【食掛】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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