途中(読み)トチュウ

デジタル大辞泉 「途中」の意味・読み・例文・類語

と‐ちゅう【途中】

出発してから目的地に着くまでの間。まだ目的地に到着しないうち。「出勤途中事故」「途中で引き返す」
物事を始めてから終わるまでの間。まだ終わらないうち。中途。「食事の途中で席を立つ」「途中をとばして読む」
[用法]途中・中途――「坂の途中(中途)に花子の家があった」「仕事を途中(中途)で投げ出してはいけない」のように、空間的な場合でも、時間的な場合でも、相通じて用いられる。◇「出張の途中に立ち寄る」「旅の途中で引き返す」「途中下車」のように、目的地に着く前にの意味では、「途中」が適切である。◇「父の死で、兄は大学を中途で退学した」「視聴率不振で、番組は中途で打ち切られた」「中途採用」のように、続けてきた物事の半ばの意味では、「中途」がふさわしい。◇類似語に「中ごろ」がある。「試合の中ごろ(途中・中途)に雨が降りだした」のように、時間的な場合には「途中」「中途」と相通じて用いられるが、空間的な意では「中ごろ」はあまり用いない。
[類語]途上中途途次道中行きがけ路次過渡期道すがら道道みちみち道草通りすがり通り掛かり通り掛け行きずり行き掛かり帰りしな帰りぎわ帰り掛け帰るさ寄り道半ばついでついでにちなみに念のため手ついでがてらかたがたかたわら

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「途中」の意味・読み・例文・類語

と‐ちゅう【途中】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 往来なか。みちなか。路上
    1. [初出の実例]「藤原冬嗣〈略〉和菅祭酒秋夜途中聞笙之什」(出典:凌雲集(814))
    2. [その他の文献]〔杜甫‐秋日虁州詠懐一百韻詩〕
  3. まだ先方に到着しないうち。目的地に着くまでのあいだ。道中。中途。
    1. [初出の実例]「客裏三秋暮、途中九日来、相留問行旅、如何菊花開」(出典:経国集(827)一三・途中九日〈良岑安世〉)
    2. 「雪女を連て来りゃア途中(トチウ)で解(とけ)て終はア」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)四)
  4. 世の中。世間。
    1. [初出の実例]「趙州いはく、為佗知而故犯。この語は世俗の言語としてひさしく途中に流布せりといへども」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏性)
  5. 物事のまだ終わらないうち。終わりに至らない間。半途。中途。
    1. [初出の実例]「善き小児は、〈略〉稽古の時刻、来れば、決して、途中に、止まることなし」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「途中」の読み・字形・画数・意味

【途中】とちゆう

路中

字通「途」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android