改訂新版 世界大百科事典 「香讃」の意味・わかりやすい解説 香讃 (こうさん) 声明(しようみよう)曲の曲名。また分類名。〈香偈(こうげ)〉とも称する。法要の導入部において,香をたいて諸尊に献じ,道場を清める意をあらわす声明曲。禅系,浄土系の宗派で用い,他の宗派の《散花(さんげ)》《供養文(くようもん)》に相当する。《散花》から類推すれば,声明に合わせて香をたく所作があってもよいわけだが,その所作はない。〈炉香乍爇法界蒙重……〉〈香纔爇炉焚宝鼎中……〉〈願我身浄如香炉……〉など数曲あるが,個別の曲名はなく,特に呼び分ける場合は〈炉香〉などと最初の字句で呼ぶ。執筆者:横道 万里雄 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by