所作(読み)ショサ

デジタル大辞泉の解説

しょ‐さ【所作】

行い。振る舞い。しわざ。「一日の所作を日記に記す」
身のこなし。しぐさ。また、演技の動作。「大げさな所作をする」「役者の所作
所作事」の略。
仏語。身・口・意の三業(さんごう)が発動すること。能作に対していう。
仕事。職業。
「常に畋猟(かり)、漁捕(すなどり)を以て―とする国なり」〈今昔・三・二六〉

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大辞林 第三版の解説

しょさ【所作】

〘仏〙 身・口・意の三つのはたらきが現れること。
なすこと。おこない。古くは、読経・礼拝などをいう。 「毎日の-として怠ることなし/今昔 17
仕事。生業。 「遅々たる春の日も-足らねば時を失ひ/謡曲・善知鳥」
その場に応じた身のこなし。しぐさ。また、演技。 「同じ-を繰り返す」
「所作事」の略。

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょ‐さ【所作】

〘名〙 (「作」は「なす」の意)
おこない。ふるまい。しわざ。所為。所行。特に、古くは読経礼拝など神仏に対するおこない、日々の日課をいうことが多い。
※天台大師和讚(10C後‐11C前)「凡そ大師の一生の 所作の行業多けれど」
※平治(1220頃か)下「やれ、おのれは義平が頸うつほどの者か。晴れの所作ぞ。よう斬れ」
② 仕事。生業。職業。
※今昔(1120頃か)三「昼夜に常に畋猟、漁捕を以て所作とする国也」
③ (karma 羯磨の訳語) 仏語。身・口・意の三業が発動して造作する具体的な行為。能作に対していう。また受戒・懺悔などの作法をいう。
※真如観(鎌倉初)「我一人が所作(ショサ)の行業は無量劫を経とも、法界には満つべからず」
④ 身のこなし。身ぶり。しぐさ。動作。
※南方録(17C後)覚書「この所作を人々感じ、捨つぼとてはやりたる事也」
※坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉二「一人々々の前へ行って辞令を出して挨拶をした。〈略〉向は一度で済む、こっちは同じ所作を十五返繰り返して居る」
⑤ 演芸での身のこなし。演技。また、歌舞音曲などを演ずること。
※わらんべ草(1660)一「我がする、しょさの事なれば、わが心に、かなはぬまでも、心がけて、しらぬ事は、しれる人にとひ」
※歌舞伎・時桔梗出世請状(1808)三幕「誂への鳴り物にて幕明く。ト直に所作(ショサ)のかかりになり」

しょさ・る【所作】

〘自ラ四〙 所作事をする。踊りを踊る。
※滑稽本・八笑人(1820‐49)二「ちょいとした茶番がありやす。所で、野呂公が一番所作らうといふ存心だ」

そ‐さ【所作】

〘名〙 (「そ」は「所」の漢音) =しょさ(所作)
中務内侍(1292頃か)「清暑堂の御神楽は〈略〉そさの人、かねてより其の人々と定められて、皆まゐりぬ」

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世界大百科事典内の所作の言及

【所作事】より

…歌舞伎舞踊のこと。〈所作〉また〈振事(ふりごと)〉〈景事(けいごと)〉とも。歌舞伎の文献では1687年(貞享4)の《野良立役舞台大鏡》にみえるのが古く,所作事ははじめやつし事として,職業の意味での所作から,職業とくに職人の動きを舞踊に写したものであった。…

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