騎西領用水(読み)きさいりようようすい

日本歴史地名大系 「騎西領用水」の解説

騎西領用水
きさいりようようすい

新川につかわ用水・なか用水・みなみ用水・がみ用水の総称。幹川水路である新川用水の名で称されることも多い。元圦はほし川の上崎かみさき(現騎西町)地先に設けて、おし領地域の落水を取水するものであった。星川分水口に上崎洗堰があり、これより新川圦前までの三〇〇間余を新川溜井と称して、用水の一時貯溜を行っていた。上崎洗堰の設置時期は未詳であるが、延宝元年(一六七三)の訴訟文書(見沼土地改良区文書)などにより、近世初頭と思われる。この堰については上流忍領と下流騎西領との間でたびたび水論が起こっている(大熊家文書)。新川用水は、元和七年(一六二一)の上早見村地詰帳(野房家文書)や、寛永(一六二四―四四)初期と考えられる武州騎西城絵図(岩瀬家文書)などからみると、この頃にはすでに開削されていたと考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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