化学辞典 第2版 「高エネルギー燃料」の解説
高エネルギー燃料
コウエネルギーネンリョウ
high-energy fuel
すでに実用化されているロケット推進薬,たとえば
(1)液体酸素(LOX)/精製ケロシン(RP-1),
(2)LOX/液体水素(LH2),
(3)N2O4/N2H4 + (CH3)2 + NNH2,
(4)過塩素酸アンモニウム/高分子燃料,
(5)ニトログリセリン/ニトロセルロース,
などよりも一段と高い性能が約束されているもの.その対象は広く,液体燃料成分ではゲル化水素,固体水素を50% 以上含むスラッシュ水素,液化メタン,軽金属アルキル化合物,軽金属水素化物,酸化剤成分では液体フッ素,液体酸素とフッ素の混合物(FLOX),フッ化窒素,フッ化塩素などがある.固体推進薬としては含フッ素高分子弾性体,含軽金属高分子弾性体などの燃料成分,過塩素酸ヒドラジン,過塩素酸ニトロニウムなどの酸化剤成分,それにニトロ可塑剤,金属水素化合物と金属アルキル化合物などの添加剤成分が有望である.次に実用化が近いとされる高エネルギーロケット推進薬の例を記す.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報