過塩素酸アンモニウム(読み)かえんそさんあんもにうむ(英語表記)ammonium perchlorate

日本大百科全書(ニッポニカ) 「過塩素酸アンモニウム」の意味・わかりやすい解説

過塩素酸アンモニウム
かえんそさんあんもにうむ
ammonium perchlorate

過塩素酸アンモニウム塩過塩素酸ナトリウム硫酸アンモニウムあるいは塩化アンモニウムなどとの複分解によってつくられる。また、過塩素酸水溶液にアンモニアを通じ、蒸発濃縮して結晶化する方法もある。

 無色の結晶、240℃で立方晶系に変わる。真空中で加熱すると150℃で分解し始め、約400℃で発火する。水によく溶け、アルコールアセトンにも多少溶ける。用途としては、日本で工業化した過塩素酸爆薬(カーリット)の主原料がおもなものである。近年では、ロケットモーター固体燃料の一つであるコンポジット推進薬の酸化剤としても用いられるようになっている。

[鳥居泰男]


過塩素酸アンモニウム(データノート)
かえんそさんあんもにうむでーたのーと

過塩素酸アンモニウム
化学式NH4ClO4
式量117.5
融点
沸点
比重1.95
結晶系斜方

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「過塩素酸アンモニウム」の意味・わかりやすい解説

過塩素酸アンモニウム
かえんそさんアンモニウム
ammonium perchlorate

化学式 NH4ClO4 。無色結晶で,加熱により分解。比重 1.95 。水,メチルアルコールに可溶過塩素酸塩爆薬の主成分で,ケイ素鉄,木粉,ワセリンを加えて爆発力,安全性を増して,おもに土木工事用に使われる。そのほか,ジェット,ロケット用発射薬として重要である。

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