日本大百科全書(ニッポニカ) 「過塩素酸アンモニウム」の意味・わかりやすい解説
過塩素酸アンモニウム
かえんそさんあんもにうむ
ammonium perchlorate
過塩素酸のアンモニウム塩。過塩素酸ナトリウムと硫酸アンモニウムあるいは塩化アンモニウムなどとの複分解によってつくられる。また、過塩素酸水溶液にアンモニアを通じ、蒸発濃縮して結晶化する方法もある。
無色の結晶、240℃で立方晶系に変わる。真空中で加熱すると150℃で分解し始め、約400℃で発火する。水によく溶け、アルコール、アセトンにも多少溶ける。用途としては、日本で工業化した過塩素酸爆薬(カーリット)の主原料がおもなものである。近年では、ロケットモーターの固体燃料の一つであるコンポジット推進薬の酸化剤としても用いられるようになっている。
[鳥居泰男]
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